データ・ストアの内容は、データ・ストアがメモリー内に存在する間は共有メモリー・セグメントに格納されます。アプリケーションがTimesTenデータ・ストアにある場合は、データ・ストアの共有メモリー・セグメントをそのアドレス空間にマップします。共有メモリーを使用することにより、単一のデータ・ストア・イメージに複数のプロセスを接続できます。
共有メモリーを使用する従来のアプリケーションでは、共有メモリー・セグメントに接続された各アプリケーション・プロセスの安定性によって、セグメントの一貫性が影響を受けます。アプリケーションが不安定な場合、共有メモリー・セグメントが破損し、アプリケーションに障害が発生することがあります。破損は、アプリケーションが共有メモリーの更新中に強制終了した場合(たとえば、kill -9コマンドによって)にも発生します。これによって、共有メモリーが一貫性のない状態(データ構造が部分的にのみ更新された状態)になるおそれがあります。
TimesTenでは、Microloggingテクノロジを使用してこれらの問題を回避します。このテクノロジは、予期しないアプリケーション障害からその他のアプリケーションを保護します。TimesTenデータ・ストアのデータを変更中にアプリケーションで障害が発生した場合、TimesTenは状況を検知し、一部の更新をロールバックして、共有メモリー・セグメントを一貫性のある状態にリストアすることができます。
TimesTenが予期しないアプリケーション障害からのリカバリを実行している間は、アプリケーションの実行に使用されるはずのリソースがリカバリ作業に使用されます。このオーバーヘッドは、アプリケーション開発の際に簡単な手順を実行することによって容易に回避できます。